接ぎ木と実生 詩:恒星


1 

 さらさらと 解らぬままに 分けられた

 「生」は発酵し 語り合う 

 そこここで 未知の結合と相成りまして 

素知らぬ ほろ酔い誘います 


 2 

 早くその実を食べさせて 

その実をすぐにくれるなら

種は全てあげましょう 


つぎきとみしょう 

接ぎ木と実生 


その種の行方を知るものは

今はもう何処にもいない 

ホンモノの種は何処へ行ったの 

本物の実は何処にあるの 


 3

 「死」が「生」をゆめみて 闇を蒸発させる

 「生」が「死」をはらんで 光を結実させる 


 ぼくらは接ぎ木なの 

それとも実生なの 


 それは蒼穹(そら)へ散りぢりになった慈愛の物語


 

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